私の過去について


作家の名前: 狐泉癒月

私に生きる価値なんて、ないのかな?

 

ある日、少女が生まれた。生まれてすぐは、家族に可愛がってもらえた。だが、私が小学一年生の時に弟が生まれ、少女は甘えたくても甘えることが出来ない日々が続いた。家族は弟にかかりっきりになった。少女は考えた。どうすればいいのか。そして行き着いたのは、演技をすることだった。

この物語は、少女が家族に見てもらうために奮闘する話である。

少女は、アニメが好きだった。それがあって声優を目指していた。その知識もあって、親にはいい顔を見せ続けた。先生にはずっと笑顔を向け、悪いところなんてない天才人間を演じた。その甲斐あって、少女はたくさんの友達ができ、先生には「すごい!」と言ってもらえた。

でも、少女の本当の性格は、ヤンキーみたいで、人をたくさん殴ったりもしていた。泣き虫だった。でもそれは歪んだ性格。もともとはとても優しくて明るい人物だったのだ。

だが、少女は子供。子供らしい一面もあり、悪いこともした。だが、親がダメだった。やり過ぎたのだ。それは...少女が悪いことをすると、たんすに向かって少女を投げたり、殴られたりした。お前なんかダメだと、罵詈雑言を浴びせられた。

この親の行動により、少女はついに壊れてしまった。何が良い事なのか善悪の区別がつかなくなった。

学校で、たくさんの人を殴った。先生には叱られた。そのたびに少女の精神は崩れていった。

ある日、親戚の集まりに出席した。親は親戚たちと話しており、少女は一人だった。そこにある青年が現れる。「君も一人なの?」そう優しく声をかけてくれた。少女は救われたのだ。この青年によって。青年は、少女の家の近くに住んでおり、その日から毎日一緒に遊ぶようになった。そして、青年に家族の事、学校の事、自分の事を相談すると、一緒に元の優しい少女に戻れるように協力してくれた。

そのおかげで、生きる価値があると思えるようになった。この青年となら、生きていけると。だが、人生は甘くなかった。

ある日、いつも通り遊んで、帰ろうとし、青信号を渡っていると、横から突き飛ばされた。少女は困惑した。そして、周りを見ると...青年が、車に轢かれていた。体中から血が出ていた。少女は泣き叫んだ。信号無視の車に少女が轢かれそうになっていたのを青年が庇ったのだ。青年は、最後に、こう言った「君は生きなければならない。俺の代わりに、人生を楽しんでね」と。

少女は決意した。青年のためにも、死なないようにと。

信頼できる先生に、親から受けた数々の苦しみを話した。その結果、家に校長先生と教頭先生が来た。難しい話をしていたので少女はよく覚えていない。親からの苦しみは解決したが、愛されているかは分からない。褒められることもない。

少女は、中学生になった。すっかり演技をするのが体に染みついていた。友達と話すときでさえ、本心を隠した。悪く思われないように努力した。だがまだ足りなかった。愛されたかった。

そして、段々苦しくなってきた。このまま演技を続けながら生きていくのかと。きっといつか限界が来る。少女は悩んだ。そして、学校であったクラスミーティングでついに打ち明けた。親から褒められた覚えがない事、ずっと今まで演技をしていたこと、いつかは本音でみんなと話したいと思っているけど、いまはまだできないこと...全部打ち明けた。でも、クラスミーティングから3日後に学校が終わったため、効果はあまりなかった。

「私を救った青年は...海斗は...向こうで元気にしてるかなぁ…?私も〇んだら会えるかなぁ…」

そう思い、包丁を手に取った。腕に当てて、動かしてみた。痛かった。体中が冷たくなった。体が死ぬのを拒んだ。包丁をそっと直した。婚約指輪を取り出し、薬指に付ける。あの楽しかった日々がフラッシュバックする。そして、あの事故も…。

「会いたいなぁ...海斗...」

 

 

少女は、演技を少しずつやめていこうと思った。

 

 

END

 

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