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僕の存在価値


作家の名前: 龍太

 僕は赤野離生。小学3年生。僕はこの名前が嫌いだ。なぜならお母さんに名前の意味を聞いたときに、

「あんたみたいなブサイク、産まなきゃよかったよ。生まれた時からブサイクだから、あんたとは離れて暮らしたいと思ったから離生って名前にしたの。じゃなきゃそんな漢字で書くわけないじゃない。」

……?僕はもう親から必要とされてないってこと……?え……?なんで……

その時僕は過呼吸になって病院に運ばれたんだ。あの時は絶望と悲しみと怒りと………。色々な感情が入り混じっていた。今ではもう、どう生きていけばいいのかわからない。もう何もかもどうでもいいと思いながら生きている。あるとき、僕はふと思った。

僕の存在価値ってなんだろう》

そもそも僕の存在価値がわからない。なんで僕は生きているのだろうか。なぜ僕は生まれてきたのか。そもそも命って何?もう何もかもがわからないよ。僕は何のためにこの世界で生きてきてるんだよ……!僕はなぜこんなことばかり考えているんだよ!何でこんなことしか考えることができないんだよ……

いつのまにか僕は、泣いていた。したら友達にこう言われた。

「離生、どうしたの?なんかあった?学校着いたら保健室一緒に行こっか。」

そっか。僕は今、友達の秋山海喇くんと一緒に学校に向かっていたんだ。そういえば、海喇くんの名前もけっこう残酷だよな、海喇くんから名前の意味聞いたけど。海に、渇喇の喇。渇喇は早口って意味らしい。だから、親は早口で海って呼ぶことが多いみたい。親は海喇くんのことを必要としていないらしい。僕もそうだから、仲間だと思い、友達になったのだ。なんて残酷なんだ、この世界は。

「おい、離生!」

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