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【小説】いじめ

作家の名前: るな

私はいじめられっ子。

小学4年生の頃から、去年の中学1年生まで、ずっといじめられ続けていた。

中学に入学する時、「さすがに中学になったらクラスも増えるし、あのいじめっ子ともクラスが別れるでしょ。」と思っていたけれど・・・。

「やったぁ〜また同じクラスだね。ずっといじめられっ子だねぇ。」

同じクラスになってしまった・・・。

実は、いじめられた年で、いじめっ子と違うクラスになった年があった。

「これで、もういじめられなくなる。」と安心していたけれど、いじめっ子は私の想像を超えてきた。

毎日、私よりも早く登校して来て、上履きを隠す。

酷かった時は、ゴミ箱に捨てられたこともあったっけ。

上履きだけじゃなくて、休み時間に廊下に呼ばれて、悪口ばっか吐かれた。

先生に相談はできない。

なんでかって?

誰かにいじめのことを話したら、もっとひどくいじめられるからだよ。

両親にも先生にも、誰にも相談できないまま。

嫌いなのは学校だけじゃない。

お母さんは病気で入院しているし、お父さんは私が幼い頃に交通事故で亡くなった。

今はおばあちゃんがご飯を作ってくれるけど、おばあちゃんは足腰が弱いからご飯を作ってくれるだけ。

毎日毎日最悪な家に住み、毎日毎日学校でいじめられる。

そんな私には、「幸せ」という言葉の意味もわからなかった。

 

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